2013年2月長堀セミナー「大阪の街づくりと御堂筋」田中清剛副市長ご講演

        平成25年2月27日(水)長堀セミナー開催致しました。

          今回は、大阪市副市長・田中清剛氏をお迎えし、

         「大阪の街づくりと御堂筋」と題して御講演頂きました。

以下にその要約をご紹介致します。

「大阪の街づくりの歴史」

6~7000年前、大阪平野は水面であった。そこに土砂が積もり、5世紀に今の平野となった。現在の市街地の形は、豊臣時代に形成。また松平忠明の復興行事で道や堀が作られた。近代では、大正8年に大阪の最初の都市計画が出された。その後平成2年、17年と総合計画が出された。

「大阪の街づくりの方向性」

昨年より、府と市が一緒になって「グランドデザイン」を策定。仕組みのグレート・リセットでは、行政主導ではなく民間主導、府市バラバラの発想からの脱却、段階的に実行する都市空間の創造をあげている。計画も今後の状況の変化で柔軟に変更していかなければならないものと、不変のものをはっきりと分けて計画を進めていくことが大切である。ハードのグレート・リセットでは、緑を圧倒的に増やす、水をきれいによみがえらせる、街並みをきれいに生まれ変わらせる、の3点を挙げている。また総合特区等では、税制上の支援や財政上の支援、また道路の上空利用の規制緩和なども挙げている。この道路の上空利用は自動車専用道路などでは以前より認められていたが、緩和により街にも認められるのは、とても効果が大きい事だと思う。

「キタの新たな働き」

1期で3ha、2期で17haのうめきた開発がおこなわれている。梅田の北側が南に比べてさびしい。この南北の開発を起爆剤にして、周辺へ波及していきたい。平成25年4月にうめきた1期は街開きをし、その後順次オープンの予定。2期は、JRを東側移動させ地下に入れ、新駅を作る。このことにより踏切がなくなり、事故や渋滞をなくす。また道路ネットワークを形成しやすくなる。また新駅を作ることで南(KIX)へのアクセスも今までよりしやすくなるのでは?今春に一定の方向性をだすようにしている。また2期のみどりの空間を確保するというのは、単に公園を作るのではなく、公園に加え立体的なみどりの空間を増やすという創意に富んだ計画を検討している。また、梅田では事務所系オフィスがなかなか埋まらないということもあるが、みどりを増やすことで街全体を活性化したい。また特区を活用し、グローバルイノベーション創出を狙う。今後5年間は府と市一緒に地方税0、その後5年間も半額にしてイノベーション生まれる環境をつくる。

「ミナミ周辺の動向」

難波5丁目(南海会館建て替え)平成28年より着手。宗右衛門町は、環境の悪化が進んでいたので安心・安全な街へしていく。ここは地元がしているのを行政がサポートしていくという形が上手くいった例である。道幅が7.8mと狭いので建て替え時にはセットバックする事や、電線など多いのでそれを地中に埋め舗装を石でしたいなど。ただ狭いので電線の地中化は難しいけど地元の協力で案内板を活用するとかして、来月完成予定。

大阪の街には、「ロ」の字に川が流れている。これは世界的にも珍しい事。その一部の道頓堀川は、水辺整備をして水面すれすれの遊歩道をつくった。水面と同じ高さの遊歩道にすることで、水に触れることができる。また遊歩道は二段になっており、周辺の建物からの出入りもしやすくなっている。水面を遊歩道と同じ高さにできるのは、この「ロ」の字の中の2つの水門が役立っている。大阪湾の潮の干満では2mの水位の差があるが、2つの水門により道頓堀川の水位は一定に保たれている。水門は、高潮からの防御と「ロ」の字の中の水位を一定にする役割を果たしている。河川においては、規制緩和はなかなか厳しいけど、水辺協議会で河川の利用のルールをつくり社会実験を終え、今は民間(南海)が運営している。川の周辺の建物も、川に面している方に出入り口を作るように推進し、現在では平均40%が出入り口を作っている。また道頓堀の水質は、昭和40年には下水整備されていなかったので(大阪のどの川も同様)汚かった。現在はとても良いが、大腸菌に関しては時々大雨が降ると雨水に下水が混じるので出てしまう。大阪の下水は雨水と下水の合流式なので、今は雨水貯留管を設置してそこに一旦雨水をため流すようにしている(平成の太閤下水)。

「御堂筋の活性化に向けて」

江戸時代は幅6mの道路であった。大正15年から整備工事が始り、昭和12年に現在の幅44mの御堂筋が出来上がった。また、万博の渋滞緩和のために昭和45年に一方通行になった。国道を経て平成24年大阪市に移管された。沿道の建築物は、大正時代に高さ100尺(31m)の規定が作られた。その後行政指導で約40年前に31mのスカイラインが形成された。しかし、ビルの建て替えなどの需要が出てきた時に、高さ規制が4mセットバックすることで50mまでと緩和された。10年前から、他のエリアの開発が進み、御堂筋の活性化が少し落ちこんでしまったので、都市再生特別地区で高さが緩和された。ランドマーク的に交差点で上層部20mセットバックしたら140mまで建てられることになった。

また御堂筋の道路に関しては、自動車は昭和40年に比べて4割減少しているのに対し、自転車は7~8倍に増えている。歩行者も心斎橋で3割増えている。歩行者と自転車の通行空間の問題が出ている。沿道の建物は、昔は淀屋橋・本町が多かったのに、今は梅田の方が多くなっている(高さの規制が建て替え意欲をなくしているのでは?)。エリア自体の再構築の早急な対応が必要となっている。都市計画審議会専門部会で既に中間とりまとめをし、パブリックコメントもうけたので、今春にはまとめたい。淀屋橋から長堀(御堂筋地区計画区域)にかけては建物の規制緩和検討対象である。また都心活性化にあたり、都市機能(産業)と都市デザイン(硬質な都市空間)の融合が必要。御堂筋は、エリアごとのビジョンを設定し、歩いて楽しめ24時間稼働する多機能エリアへ、そして世界を魅了するフェスティバルモール化するべきだ。また業務機能に焦点を当てると夜がさみしいなどあるので、住・学・にぎわいなど他の機能もサポートする必要があるのではないか?また各エリアによってにぎわいが違うので地域特性を生かしながらの街づくりをしていく。淀屋橋・本町間は高さ制限の形態緩和し、セットバックしているところを歩行者だけでなく何かにぎわい空間となるように考えていく。また、本町・長堀間の上層部に高級賃貸レジデンスを認めてはどうか?また2mのセットバックも緩和してはどうか?よりきめ細やかなデザインコントロールをエリアごとに合わせてしていく必要がある。

新橋から北は、自動車が多く歩道も広い。南は自転車が多く歩行者も多いが、自動車は北に比べ少ない。側道を閉める実験をまず自動車の少ない南側でしてみてはどうか?その結果を踏まえ、北側でも実施してみる。そして側道を閉めた時の影響をみて、また自転車と人との安全性の関係やにぎわいづくりができないかも実験で見てみたい。